TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.2198 もうすぐ生誕100年ジューン・ヘイヴァー〜タップ上手なミュージカル女優A
 ジューン・ヘイヴァーは18歳で20世紀FOX映画デビュー。最初の2年間に出演した作品全てが美しいテクニカラー映画で、彼女のブロンドの髪がスクリーンに栄えました。

『勝利の園』(1944)
 競走馬を扱った低予算のアメリカの田舎映画。1925年生まれの新人女優ジーン・クレインと共にFOX映画が売り出しました。ブロンドで体にぴったりしたブルージーンズ姿のジューンさんはどこからどう見てもグラマラスで後のマリリン・モンローを思わせます。大人しめで清純派のジーン・クレインの真逆の扱いになっています。

『アイルランドが微笑む時』(1944)
 トミー・ドーシー楽団、ベニー・グッドマン楽団の専属歌手からハリウッド映画デビューしたディック・ヘイムズとコンビを組んでミュージカル映画初主演のジューンさん。劇中、髪をひっつめホテルのボーイ姿になるのですがハリウッド映画の優れたメイクアップ技術の加わったジューンさんが最高に美しい。
 フレッド・アステアの振付師だったハーメス・パンが担当したミュージカル・ナンバーがどれも素晴らしい。淺野康子さんに着て頂いた民族衣裳でジューンさんがディック・ヘイムズとデュエットするタイトル・ナンバーはロマンチックな魅力がありますが、大きな男性ダンサーに女装をさせ、逆に小柄なジューンさんに男装をさせたタップダンスのナンバーはハーメス・パンの振付が上手いので悪趣味にならず楽しめます。

『ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?』
(1945)

 第2次世界大戦中のアメリカで、徴兵検査で不合格になった男性を描いたミュージカル映画。その男性をジューンさんが後に結婚するフレッド・マクマレーが演じています。主演はワーナー映画の大スター、ジョーン・レスリー。とは言えこの時まだ20歳とは。かなり前に松本晋一さんから観せて頂いたきりなので細かく覚えてませんがかなり奇妙な映画でした。ジューンさんは大勢の兵隊さん相手に「戦争中だからモラルを守りましょう!」みたいなナンバーで歌い踊るのですが、体にぴったりした真っ赤なワンピースの衣裳なので兵隊さんを挑発してるとしか思えません。

『ザ・ドリー・シスターズ』(1945)
 FOXミュージカルの女王ベティ・グレイブルとジューンさんが姉妹を演じるドリー・シスターズの伝記映画です。FOX映画がミュージカルをプログラム・ピクチャーでなくMGMやワーナーの様に本気で製作した事で記憶に残る作品。セイモア・フェリックスの振付はオーソドックスですが、お金をかけたミュージカル・ナンバーはどれも見応えがあります。多くのドラマティックな場面とミュージカル・ナンバーで大先輩のベティと対等に共演したジューンさんが見事です。この映画の主題歌“アイ・キャント・ビギン・トゥ・テル・ユー”は当時大ヒットしました。

 つづく。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.