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Vol.2164 ハリウッド映画女優のパイパー・ローリーさん追悼(2023年10月)
 後にアメリカ合衆国大統領になったハリウッド映画のB級俳優ロナルド・レーガン主演のコメディー『ルイーザ』に18歳でデビューしたパイパー・ローリーさんが亡くなりました。

 ユニヴァーサル映画の専属女優として契約、ドナルド・オコンナーと喋るロバのフランシス主演の『フランシス』、ドナルド・オコンナーとジミー・デュランテ主演のコメディ『ミルクマン』、大スターのタイロン・パワー主演『ミシシッピーの賭博師』を経て、ユニヴァーサル映画売り出しの若手スター、トニー・カーティスやロック・ハドソン主演のアクション剣劇で美しいお姫様役が当たり役となりました。私はこれらの作品をテレビの深夜劇場で良く観てましたが、パイパー・ローリーさんがヒロインだと男性俳優がより輝いて見えるものだなぁ、と感じたものです。
 1950年代の映画雑誌にはパイパー・ローリーさんと同じユニヴァーサル映画のロック・ハドソンのデート写真がよく掲載されてましたが、これらは全て映画会社が宣伝用に流したウソの、今風に言えばヤラセの情報だったのですね。

 そんな順風満帆だったパイパー・ローリーさんは決まりきった役柄にうんざりしてユニヴァーサル映画女優のキャリアを自分から捨ててしまいます。ニューヨークにわたり、アクターズ・スタジオで演技の勉強をし直して独立後に出演したのがポール・ニューマン主演の名作『ハスラー』でした。ポール・ニューマン生誕コラムの為にDVDを観た後、テレビ放送されたのでもう一度観たのですが、アル中で身を持ち崩す負け犬ヒロイン役のパイパー・ローリーさんが痛々しくてツラかったです。演技なんか出来なくてもアカデミー賞助演女優賞にノミネートされなくてもお姫様女優として素敵だったのに!
 さらに一度引退した後に1970年代に40代でカムバック出演したのがホラー映画の大ヒット作の『キャリー』でした。キャリーのお母さん役というのが納得出来ずまだ観てませんが2023年の今、訃報ニュースが流れた時の見出しはアカデミー賞で助演女優賞に、ゴールデングローブ賞で最優秀助演女優賞にノミネートされた《キャリーの母親役》でした。

 追悼上映をやろうと手元にあるパイパー・ローリーさんの映画を探したのですが、あったのはお姫様映画でなくミュージカル映画でした。

『僕の彼女はどこ?』
ダグラス・サーク監督
パイパー・ローリー、ロック・ハドソン
チャールズ・コバーン主演

 『僕の彼女はどこ?』はミュージカル映画というよりはチャールストン・エイジの1920年代を舞台にしたアメリカのホームドラマ。2019年のY's発表会で淺野康子さん森アしおりさんとステップを踏んだ“Five Foot Two,Eyes of Blue”や昨年のチャリティー公演でSHさんとデュエットした“Charleston”等、私とは何かと縁のあるチャールストン曲が沢山登場しますが、パイパー・ローリーさんはじめチャールストンを踊るまででミュージカル・ナンバーなどは皆無です。
 この映画の後に大スターとなったジェームズ・ディーンがドラッグストアの場面に脇役出演しています。

『奥様はジャズがお好き』
エドワード・バゼル監督
パイパー・ローリー、ロリー・カルホーン
ジャック・カースン主演

 オープニングにかなり凝ったマンボのナンバーがあるのですが、我らがパイパー・ローリーさんはプロのダンサーに負けず器用に動けてます。ケニー・ウィリアムという振付師の指導が上手かったようです。
 逆にタイトルにもなっているファッツ・ウォーラーの名曲“Aint Misbehaven”は期待外れのナンバーでした。

 映画の他にもテレビドラマ『ツイン・ピークス』でゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞したり『ER緊急救命室』などにゲスト出演されていました。
 1932年生まれのパイパー・ローリーさん、思えば自分の両親と同世代だったのですね。ご冥福をお祈り致します。

天野 俊哉



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