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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.2124 宝塚歌劇雪組公演(2023年7月)
 本来は振付家である謝珠栄氏が作・演出・振付を担当したミュージカルと藤井大介氏作・演出のレヴューを観に東京宝塚劇場に足を運びました。

謝珠栄/作・演出・振付
ミュージカル・ロマン
『ライラックの夢路/ドロイゼンの誇り』

 宝塚にはベテランから中堅、若手に至るまで才能豊かな演出家が何十人も在籍しているのに何故謝珠栄氏の様な振付の先生に作品を任せるのか?
 『ライラックの夢路』はトップスター彩風咲奈さんらメイン男役が5人兄弟というキャスティングなのでかなりの時間、彼らスターを眺めていられるのが利点なのに対して娘役は役柄が少ないのが欠点。しかもひとりはヅカファンに一番嫌われる女性のタイプ。話が鉄道とか関税とか専門的すぎるので重いし、あまりロマンチックじゃない。決定的なのは謝氏が色々なエピソードをまとめきれず、最後の15分位になってそれらをめでたしめでたし、と収めてゆくのはいかがな物でしょうか。宝塚だからご都合主義でいいじゃない?とお客様に甘えてしまうのは失礼だと思いました。

藤井大介/作・演出
ファシネイト・レヴュー
『ジュエル・ド・パリ/パリの宝石たち』

 銀矯にパレットを持った画家たちが並ぶイントロダクションから大階段の彩風咲奈さんに、そして(大劇場公演では初舞台生の)ロケット、男役スターが大階段を歌いながら下りてくる、藤井氏は懐かしい『宝塚花詩集100』と同じ構成でオープニングを飾ります。個人的な好みから言いますと主題歌のメロディに馴染めず、華やかなレヴューの世界に引き込まれませんでした。
 大階段をバックにトップさん以下大勢でみせるカンカン・ナンバーも、その大階段を使わなかったり、相変わらずの音楽だったり、女性が原色を避けた淡い色の衣裳なのでパッとせず迫る物がありませんでした。

 今回久しぶりにB席での観劇でしたのでオーケストラ・ボックスがバッチリ見えました。レヴューに関して言えば録音率は何と約60%でした。常に指揮台にライトが点いているのは私みたいにうるさい客へのカモフラージュか?指揮台が点いてる時に指揮者があまりに暇なせいか譜面をめくったりしていました。近年オーケストラの皆さんの演奏レベルが高いので私など彼らの演奏を楽しみにしているのでとても残念な結果になりました。

 この3年間相次ぐ休演等で宝塚歌劇団も赤字の様です。衣裳や装置や照明そしてオーケストラを安く抑えたりしわ寄せがもろ今回のレヴュー作品に来ているのかも知れません。

天野 俊哉



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