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Vol.1675 もうすぐ生誕100年スーザン、フィリスそしてマリリン
 今回ご紹介するのは1940年代にハリウッドのMGM映画と契約していた1921年生まれの3人の女優さん。共演経験などは全く無くてY'sコラムで初顔合わせとなります。

《スーザン・ピータース》
 1944年のMGM創立20周年の記念写真で社長のメイヤー氏を真ん中に、キャサリン・ヘプバーン、グリア・ガースン、アイリーン・ダンらの大女優に混ざって最前列に着席されているのが我らがスーザンです。
「何故あなたがここに?」
と長年首を傾げてましたが最近謎がとけたのです。
 ワーナー映画で演技力を磨いてきたスーザンは前途有望なMGMの演技派若手女優だったのです。名作『心の旅路』では、ベテランのロナルド・コールマンや人気女優のグリア・ガースンを相手に説得力のある演技で圧倒的な存在感を示し、アカデミー助演女優賞にノミネートされました。彼女が登場すると不思議と場面がしまるのですね。
 続いてロバート・テイラーと主演した『ロシアの歌』あたりからスーザンの人生が狂い出します。戦時中、旧ソビエトとアメリカは一時的に同盟国だった事から親ソビエト映画が幾つか製作さましたが、1945年に終戦をむかえるや、両国の関係は再び悪化し映画に関係した全ての映画人がアカ(共産主義者)扱いされ、しまいには裁判にかけられるまでに。もうひとつはスーザン自身がプライベートでの事故から再起不能になり、失意のあげく若くして人生を終える結果になってしまったのです。

《フィリス・サクスター》
 先のコラム(Vol.1623)で取り上げたドナ・リードと同じ様に、第二次大戦中のアメリカにおける若い兵隊の故郷の恋人のイメージを持つ女優さんでした。日本だと原節子さんや高峰秀子さんの位置付けですか。ヴァン・ジョンソン主演の『東京上空三十秒』での若妻役がピッタリで、どの場面もひたすら待つ、堪え、忍ぶ雰囲気で、私などフィリスの表情は笑顔より泣きそうな顔ばかりが浮かんでしまいます。
 彼女の不運は戦争が終わってもその役柄を引きずってしまった事で、ジーン・ケリーが復員兵を演じたミュージカル『おおらかに生きよう』でもジーンの戦友の奥さん役でした。映画の中で唯一上手い俳優でしたが時代に取り残されてしまった様で気の毒でした。
 また良妻賢母の役柄はMGMではフィリスより先輩のジューン・アリスンの専売特許だったので生かされなかったのですね。
 やがてワーナー映画に移籍してバート・ランカスターやゲイリー・クーパーとも共演しましたがフィリスの記憶ってあまり無いのです。唯一ヴァージニア・メイヨ、ジーン・ネルソン主演のミュージカル『シーズ・ウァーキング・ハー・ウェイ・スロー・ア・カレッジ』でロナルド・レーガンの奥さん役が記憶に残ってます。と言うのもレーガンとフィリスがヴァージニアとジーン・ネルソンの素敵なダンス・ナンバーの背景として画面にずっと入っているから!なんです。
 フィリスはここ何年か前に亡くなっていて、ついに追悼コラムを書けなかった女優さんでした。

《マリリン・マクスウェル》
 戦時中、ミュージカルの端役からスタートしたマリリンは、結論から述べるとモデルとしても、女優としても、歌手としても全てに中途半端なイメージの方であります。
 すみません!
 写真の様に美人ですが、同時代のラナ・ターナーやエヴァ・ガードナーのカリスマ性はなく、カーク・ダグラス主演の名作『チャンピオン』に共演者として華を添えるもちょい役のルス・ローマンに美味しいとこを持って行かれる始末。
 バンド・シンガー出身という事でラジオ放送のCDを聴いてみると、確かに歌手だから上手いんだけどなぁ?
 もちろん、これは私の感想ですので
「いや、それは違うよ!君には分かるまい!マリリンの魅力が!」と叱られてしまうかも知れません。

 せっかくの生誕記念コラムなので何か良い話題でも無いかな?
 するとアメリカを代表するコメディアン、ボブ・ホープの自叙伝にありました。太平洋戦争と朝鮮戦争の時にアメリカ兵を慰問する為のグループにマリリンが積極的にレギュラーとして参加していたそうです。
 当然の事ながら海外の戦地に、ですよ!
 なんだ凄いじゃん!マリリン。誉めることが出来て良かったです。

 今回はスーザン、フィリス、マリリンのMGM3人娘を取り上げました。

天野 俊哉



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