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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1464 西城秀樹さん追悼
 5月16日に歌手の西城秀樹さんが亡くなりました。
 歌謡界の大スターなのですが、あまりご縁が無いことから以下の様な役に立たないコラムとなりましたのでご勘弁を。

 たまたまですが、西城さんが亡くなる直前にテレビを観ながらふと西城さんの事が頭をよぎりました。
 今でもテレビで流れているハウスバーモントカレーのコマーシャルで子供たちとカレーを食べている若いアイドルの男の子を見ながら、「ああっ、もう西城秀樹じゃないんだ?」。

 西城さんが絶大な人気を誇っていた1970年代、私は歌謡界に全く興味が無かったので西城さんの歌をよく知りません。ただ、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』だけは毎週欠かさず観ていたので、定番である貫太郎役の小林亜星さんと息子役の西城さんが卓袱台を引っくり返す大ゲンカの場面が大好きでした。お二人がご飯を食べながらご飯粒を飛ばしながらの口ゲンカから、次第に殴りあいにエスカレートして行く久世光彦さんの演出が最高で、然り気無くアドリブで笑わせる悠木千帆(現 樹木希林)さんのお婆さん役も絶妙でした。

 今でも不思議なのは、たった一度だけ西城さんの名曲“ヤングマン”を生で聴く機会がありました。1995年の夏、今は存在しない横浜の野外会場(インター・コンチネンタル・ホテルの近く)でしたが、西城さんのコンサートではなくサザン・オールスターズのコンサートでした。
 サイドカーに乗ったサザンのメンバーが一人ずつ舞台に現れ、最後にいよいよ桑田佳祐さんがアメリカの星条旗のイメージのド派手な衣裳にマスク姿で登場したのですが、どうやらにせ物らしい?マスクを取るもスタンドの後ろの方の座席でしたので誰だか分からない?周りからは「あれは西城秀樹だ!」みたいな声が聞こえてきましたが、西城秀樹(1972年デビュー)ほどの大スターが1988年デビューの後輩のサザンのコンサートに出演(前座出演?)するのか信じられませんでしたが、どうやら本物の西城さんでした。
 スゲエ!
 凄かったのは西城さんの会場の盛り上げ方、テンションの高さでした。何せ桑田さん以外のサザンのメンバーを従え、何万?のサザンファンを前にしていたのですから、私みたいな西城秀樹ファンでない人間にあの度胸は驚きでした。
 しかも“ヤングマン”のイントロからまあ観客を引っ張る引っ張る。さらに、例のY.M.C.A.の振り付けをサザンファンみんなも知っている曲の認知度の高さにも感心、いや感動しました。
 フルコーラスで歌いきった西城さんの後ろからバイキンマンのコスチュームでスクーターに乗って現れた桑田佳祐さんと少しやりあって退場しましたが、今でも忘れられない演出です。

 そう言えば松本晋一さんがハンドクラップ公演で西城秀樹さんの“傷だらけのローラ”を熱唱したことがありましたっけ。秀樹ファンだったのかな?
 そして正にこのコラムを打っている私に1通のメールが。
 淺野康子さんからだ?
 彼女も大の秀樹ファンだったそうで、レコードは全部買っていたほどとか。添付されていた右のイラストから彼女の強い悲しみが感じられました。

 西城秀樹さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉


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