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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1296 映画「TAP -THE LAST SHOW-」のその後
《却下された企画とは》
 永年、水谷豊さんがタップダンス映画の構想を持ち続けてきた事はインタビュー等でも沢山語られてきました。ある映画関係者の情報だと、まだ水谷さんが若い頃「自閉症の青年がタップダンスを踊る時だけ輝く!」という企画を、水谷さんの刑事役の原点となる「幸福」(1981年 東宝)でコンビを組んだ巨匠、市川崑監督に持ち込んだというのですね。その青年は、もちろん水谷さんが演じる予定で。しかし、映画会社から、タップダンスではお客が入らないという理由で却下されたそうなのです。
 劇映画だけでなく、「東京オリンピック」の記録映画までも独特のタッチで映像化した市川監督のタップ映画なら、絶対凄いものになったはずだし、演技派の水谷さん向きの良い企画だったのに、とても勿体ない事だと思いました。
 今回の映画において、かろうじて西川大喜さん演じるJUNにその役柄が託された訳ですね。

《ロードショー》
 時は流れ、今ではベテラン俳優として認知される水谷さんですが、東映サイドのタップ映画に対する見方は変わっていない様に思えました。銀座のど真ん中にある、東映が誇る本拠地の丸ノ内東映では、水谷さん主演の「相棒」劇場版シリーズは公開しているのに「TAP〜」はスルーされ、かろうじてシネコンに格下げされたシャンテでのロードショーにはガッカリしました。公開前、まだテレビの宣伝が始まる前、わざわざ丸ノ内東映の宣伝モニターに映される「TAP〜」の映像を見て、ここに観に来ようと楽しみにしていたのに。
 ちなみに、かつてフレッド・アステアのミュージカル映画は、ニューヨーク最大の劇場であるラジオ・シティ・ミユージック・ホールでロードショー公開するものと決まっていたそうですよ。
 今も昔も、映画がヒットするか、しないかのひとつは劇場の格にあるのです。

《さて、生徒は》
 「先生、映画観てきました!」という生徒の報告に喜びつつも、思った以上に上映されてる映画館が少ないことから、出掛けて行くまでに時間がかかったとか。
 私もコラム(Vol.1289)に書きましたが、やはり入場料の高さが気になる方が多く、主婦の方などは安いレディース・デーを狙ったとか。
 水谷豊さんとタップダンス以外に売りがない作品なので、一緒に観に行ってくれる友人が居なかった!とか。
 結局、今の日本人には、映画鑑賞の習慣がないのですね。映画館なんて何年ぶりだろう?という方が圧倒的に多かったようです。

 水谷豊さん扮する渡真二郎が、杖を持って全く踊らないのは、「そりゃ、水谷さんがタップを踏めないからよ!」とシビアなご意見を言う一方、「ラストのショー場面はもう一度観たかった!」ともっともな感想も。
 事務所の壁に貼ってあるNTDのポスターや、ほんの一瞬出てくる佐々木隆子先生の写真を見逃さないあたりは流石だな!と思いました。あとは、東京リズムボーイズのお二人の名前が映画のバックタイトルに登場したのも見逃さなかった。
 何故そこまで一生懸命クレジットに注目するかと言えば、この場に及んでも私がどこかに出演していると生徒さんは信じているらしい。
 「だって、もし出演していなかったら、映画のチラシなんて100枚も配布しなかったですよね?」とは生徒。
 なるほど、一理ありますな。

 そして、映画を観てきた生徒には「これからは杖を叩いて教えるから、すぐ動けるように!」と指示を出しました。
 今後は、DVD発売よりも、テレビ朝日でのテレビ放映が大勢の一般視聴者の目に触れるチャンスですので楽しみです。
 おわり。

天野 俊哉


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