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		Vol.1141 アーサー・ヒラー監督追悼〜愛とは決して後悔しないこと
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 名作「ある愛の詩」で有名なアーサー・ヒラー監督が亡くなりました。 
 実をいうと私はヒラー監督の作品をほとんど観ておりません。 
ナタリー・ウッド主演「美人泥棒」(1966) 
ジャック・レモン主演「おかしな夫婦」(1970) 
アリ・マッグロー主演「ある愛の詩」(1970) 
の3本だけです。 
 「それで追悼コラムか!」 
 皆様のお怒りはごもっともです。 
 でも、かわいそうな方なんですよ、ヒラー監督は。 
 巡り合わせが悪いというか、人に恵まれなかった(多分気の毒な)人なんです。 
 まず、アーサー・ヒラー監督の代表作である「ある愛の詩」のプロデューサーはハリウッドで一番目立ちたがり屋のロバート・エヴァンス。彼の自叙伝「くたばれハリウッド」にはエヴァンスの自慢話がたくさん。「ヒラーなんて何にもしていないぜ!」位の書きっぷりです。 
 @主演男優に、ヒラー監督は新人のクリストファー・ウォーケンを推薦。一方、エヴァンスがすすめるのはテレビ・ドラマ出身のライアン・オニール。エヴァンスのお見立て通り、甘いマスクのオニールはマッグローとピッタリでした。 
 ただ、その後のウォーケンの活躍を見ればヒラー監督の選択もありだった?と私は思うのです。 
 A出来上がった作品を観たエヴァンス。大好きなフランス映画「男と女」みたいにしたい!と、嫌がるフランスの作曲家フランシス・レイにムリヤリ主題曲を書かせた!この時レイの尻を叩いたのが何とアラン・ドロン様。 
 でも、演出とは関係ない訳でして。 
 B作品賞、監督賞を始めアカデミー賞7部門にノミネートされるも、ほとんどを「パットン大戦車軍団」に持って行かれ、ムリヤリの作曲賞受賞のみに終わる。 
 時代はベトナム戦争末期、アカデミー協会が、強いアメリカを強調したかった。 
 さらに「ある愛の詩」がアンチ・ハリウッドのニューシネマ作品であり、ヒラー監督もそんなニューシネマ時代の一員として差別された。 
 のちのちヒラー監督がアカデミー協会の仕事に就いた理由は多分この苦い経験から来ていると思われます。 
 さて、名優ジャック・レモンが天才作家ニール・サイモンが書いたコメディ作品に主演すれば大ヒット間違いなし!そして大ヒットしたのが「おかしな夫婦」。私は今までヒラー監督作品とは知りませんでした。 
 このコラムを書いたら追悼の意味を込めてDVDを観直してみるつもりです。 
 アーサー・ヒラー監督のご冥福をお祈りいたします。 
 
写真 上から 
・温厚な印象のアーサー・ヒラーはカナダ出身 
92年の生涯で30本以上の映画でメガホンを取った 
・「美人泥棒」のナタリーと刑事コロンボで馴染みのピーター・フォーク 
・「おかしな夫婦」のジャックとサンディ・デニス 
・「ある愛の詩」のオニールとマッグロー 
・エヴァンス&マッグローの蜜月の頃。「ある愛の詩」で自分の妻をどれだけ悲劇のヒロインに仕立て上げるかが、プロデューサーエヴァンスの主目的だったともいえる 
・人道主義的な活動、慈善事業への尽力が評価され、2001年第74回アカデミー賞でジーン・ハーショルト友愛賞※を受賞したヒラー監督。受賞を祝福するマッグローと、太ったおじさんは誰かと思いきやオニール! 
※長年に渡り、映画業界全体の発展に顕著な功績のあった人に贈られる賞 
・元妻マッグローの肩を抱きながら、「ヒラーが受賞できたのは俺のおかげだよなぁっ!」と言わんばかりのエヴァンス。心理学の文学士号を持っていたヒラー監督は、そんなエヴァンスの性格を逆手にとって利用していた、のかもしれない 
 
「ある愛の詩」トリビア 
・コラムタイトルの「愛とは決して後悔しないこと」は、白血病に侵されたジェニファー(マッグロー)がオリバー(オニール)に残した言葉 
・1977年に日本テレビで放送された日本語版では、百恵友和のゴールデンコンビが吹き替えを担当した 
天野 俊哉 
 
  
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