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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1045 究極のメロドラマ映画集
 永年映画ファンをやっていると必ず聞かれるのが「どんなジャンルの映画が好きですか?」という質問です。仕事柄「ミュージカル映画です」と答える事が当たり前になっていますが、実は怪獣映画に始まり喜劇映画、空手映画、ターザン映画、恐怖映画、海賊映画etc.様々なジャンルの映画にこだわり楽しんできました。
 最近「メロドラマ映画DVDコレクション」なるものを衝動買いしました。実はミュージカル映画の女王ジュディ・ガーランドが主演したメロドラマの名作「The Clock」を日本語字幕入りで観られるから、というのが一万円も出して購入した本当の理由です。
 私みたいな古いハリウッド映画ファンに言わせると
 メロドラマの代表作なら
・ロバート・テイラー&グレタ・ガルボの「椿姫」
・シャルル・ボワイエ&ジーン・アーサーの
 「歴史は夜作られる」
・ロバート・テイラー&ヴィヴィアン・リーの「哀愁」
・ロナルド・コールマン&グリア・ガースンの「心の旅路」
・ウィリアム・ホールデン&ジェニファ・ジョーンズの「慕情」
 なんてタイトルがスラッと浮かびます。
 ところが今回購入したDVDの4作品には正直かなり驚きました。ロマンティックとはあまり縁の無い方々が並んでおり、本当にメロドラマなの?と聞きたくなってしまったからです。
@「The Mortal Storm」
ジェームズ・スチュアート&マーガレット・サラヴァン(敵役ロバート・ヤング)
A「大雷雨」
エドワード・G・ロビンソン&マレーネ・ディートリッヒ(敵役ジョージ・ラフト)
B「Summer Storm」
ジョージ・サンダース&リンダ・ダーネル
C「The Clock」
ロバート・ウォーカー&ジュディ・ガーランド
 @は反ナチス映画としてかなり知られている作品。ラブシーンよりも演技が表に力強く出る俳優さん。
 何が凄いってAの顔ぶれ、ロビンソンとラフトは共にギャング映画の名優。ディートリッヒを取り合うにしてもハジキが出てきそうな勢い。誰も死なないのが信じられない。しかも電力会社の宣伝映画。
 Bは古めかしい歴史もの。
 サンダースさん脇役として上手いんですけど。ヒッチコックの「海外特派員」とか。
 そしてCがお待ちかねのメロドラマ。
 熱烈なガーランド・ファンである松本晋一さんからDVDを貸していただき、観た時の感想文を掲載しておきますね。
 《ミュージカル最強チームが作ったハート・ウォーミングな作品。兵士ウォーカーとOLガーランドの二人が丁寧に演じており歌わずとも名作は生まれる。
 主役二人のちょっと神経質そうな表情が自然体で深みが出た。また、後々の不幸な死ともオーバーラップしてしまった。皮肉なのはヴィンセント・ミネリ監督らしいこだわりがあまり感じられず、そこがスムーズに運んだ理由かも》
 このDVDに付いている解説を書いておられる映画評論家の方は、実は私みたいな見方をしていますが、立場上どれもが一流のメロドラマとして成立している、と涙ぐましい文章を。
 このメロドラマDVDはパート1とのこと。
 次回はもう少しロマンティックな展開に期待したいものです。

天野 俊哉




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